以前当団体のバーチャルボードミーティング(仮想理事会*)にご出席いただいた、ドリームビジョン平石さんのブログを読んでいたら、表題のコメントが目に飛び込んできた。

「本質的に何をしたいのか?」

平石さんは一生チャレンジャーでいたい人なのだと、ブログを読んでいる限りでは思う。(会った回数よりもブログにアクセスした回数の方が何十倍も多いので、ブログの印象の方が遥に強いのだが、40歳を過ぎて、せっかく上場させた会社(旧インタースコープ)を離れてゼロから3度目の起業をするなんて、ありきたりなチャレンジ精神では考えられないだろう。)

私の場合、23歳で今の組織を立ち上げて、今年で7年目だが、振り返ればやりたいことはかなりはっきりしている。人を育てたい。ちょっとした小さな出会いやキッカケ、自分に適した環境を手に入れるだけで人は大きく変わり、成長する。その根拠は自分の大学時代の経験にあり、いい経験をさせてもらったと思っている。そんないい経験をたくさん生み出したい。

軸は変わらないが、しかし、変化もある。それも大きな。

それは、自分で現場を持たなくてもいい、と思えるようになったことだ。例えばトキワ荘プロジェクトは住居を提供している。そこに住む人は、基本的には、それぞれが勝手に切磋琢磨し、成長する。成長させているのは環境であり、その人自身であり、そのプロセスに我々はほぼ関わりがない。

昔はそれではあまり興味が持てなかった。小さくても、手作りもでもいいから、自分の教室や現場を持ちたいと思っていた。現場での試行錯誤やプロセスが何よりも楽しかったのだが、今は逆に現場への拘りがあまりない。自分がどうコミットしようが関係がなく、結果として想いが形になっていればそれでいい。いや、それがいい。結果が全てになった。言い方を変えれば、仕事に自己実現を求めなくなったのだろう。自己実現をするのは我々ではなく、彼・彼女らだと思えるようになった。

そうなって、視界が広がった。世界には無数の埋もれたリソースがある。それらを使えばもっと自由にもっと効率良く活動ができる。方法はそんなふうにして変わって、長い人生を考えれば、これからも変わり続けるだろう。(ひょっとしたらグルッと一周回って元の場所に戻るかもしれない。だとしたら、人生は駅伝ではなくマラソンみたいだ。笑)

先月から新しいプロジェクトの立ち上げ準備をしている。恐らく、プロジェクトという規模ではなく、新しい法人になる。詳しくはまだ言えないが、今のところは株式でやるつもりだ。また新しい挑戦でもある。

新しいプロジェクトでも、しかし、スタンスは変わらない。

やりたいことは、人を育てること。自分が直接関わらなくても、それでいい。

そして「最終的なインパクト」が大事。これはNEC社会起業塾の川北塾長がブログで私向けに書いてくれたコメント。考えるべきは、本質的にやりたいことで、どれだけ大きなインパクトを社会に与えられるか……。その答えを出し続けることが、NPOにとって最も重要な仕事の一つでもたぶんある。

「本質的に何をしたいのか?」
「最終的なインパクト」

20代も残りわずかなので、しっかり考えて、人生の前半戦を終えたい。

*仮想理事会とは、日頃お忙しい方々に、その日一日だけ理事になったつもりで、組織やプロジェクトの経営的課題と解決策について一緒に考えてもらう会のこと。通常、ネットではなく、会議室などで行われる。